【脱・全部自分】個人事業主が「外注化」で売上の壁を突破する方法|失敗しない始め方ガイド

「やらないこと」を決めた後、その仕事はどうする?

前回の記事では、来年の飛躍に向けて「やらないことリスト(Stop-Doing List)」を作成し、自分の貴重なリソースを浪費する業務を特定することの重要性をお伝えしました。

ここで、多くの誠実な個人事業主の方が直面する疑問があります。 「『自分がやらない』と決めたけれど、経理や事務作業は誰かがやらなければ会社が回らない。結局、自分がやるしかないのでは?」

その責任感こそが、ここまで事業を継続できた理由でしょう。しかし、同時にそれが、あなたの事業が次のステージへ進むのを阻む「見えない壁」になっている可能性もあります。

個人事業主や小規模事業者が、「年商1,000万円の壁」や「3,000万円の壁」に直面する最大の原因は、経営者自身がプレイヤーとしてすべての業務を抱え込み、時間が枯渇してしまうことにあります。

本日は、「やらないことリスト」で特定した「必須だがノンコアな業務」を、他者の力を借りて手放すための技術、「戦略的アウトソーシング(外注化)」についてお話しします。これは決して「楽をするため」ではなく、事業を成長させるための「攻めの投資」です。

なぜ、あなたはまだ「人に任せる」ことをためらうのか?

「人に任せたほうがいいのは分かっている。でも…」と二の足を踏んでしまう経営者は少なくありません。その背景には、大きく分けて2つの心理的ハードルがあります。

ハードル1:「自分がいちばん上手くできる」という思い込み 確かに、あなたのビジネスを最も理解しているのはあなた自身です。しかし、すべての「作業」において、あなたが世界で一番優れているわけではありません。特に、専門外の事務作業やIT作業などは、その道のプロに任せた方が、あなたよりも早く、正確に完了するケースが多々あります。

ハードル2:「外注費がもったいない」というコスト意識 これが最も大きな壁でしょう。「自分でやればタダなのに、人に頼むとお金がかかる」という考え方です。

ここで一度、冷静にあなたの**「時間単価」**を計算してみてください。 仮にあなたの月収が80万円で、月160時間働いているとしたら、あなたの時間単価は「5,000円」です。

もしあなたが、時給1,500円で依頼できる単純なデータ入力作業を自分で1時間かけて行っているとしたら、それは「3,500円の損失」を出しているのと同じことになります。経営者にとって最も高価なリソースは「自分の時間」です。アウトソーシング費用はコストではなく、「自分の高単価な時間を買い戻すための投資」と捉える必要があります。

個人事業主が最初にアウトソーシングすべき3つの領域

では、何から任せれば良いのでしょうか。基準は明確です。「あなたのコアスキル(利益を生み出す源泉)を必要としない」かつ「定型的・反復的な業務」です。

領域1:経理・記帳・請求書発行などのバックオフィス業務 毎月発生する領収書の整理や会計ソフトへの入力。これらに使う時間は、売上を一切生みません。税理士や記帳代行サービス、オンラインアシスタントに依頼するだけで、月末のストレスから解放されます。

領域2:SNS投稿代行・Webサイトの単純更新 発信内容の「企画」はあなたがやるべきですが、決まった内容を「投稿セット」する作業や、過去記事の微修正などは、マニュアルさえあれば誰でもできます。

領域3:リサーチ・資料作成の下準備・日程調整 競合調査のためのデータ収集、提案資料の骨子作成(PowerPointの整え作業)、複数人との日程調整メールのやり取り。これらは意外と脳のメモリを消費します。秘書的な業務をオンラインアシスタントに依頼するのは非常に効果的です。

失敗しないアウトソーシングの始め方・3ステップ

いきなり正社員を雇う必要はありません。リスクを抑えて小さく始めるのが成功のコツです。

ステップ1:業務の「棚卸し」と「マニュアル化」 まず、任せたい業務を箇条書きにします。そして、簡単なマニュアルを作成します。ここで完璧な文書を作る必要はありません。おすすめは、Zoomなどの画面録画機能を使って、自分がその作業をやっている様子を録画し、口頭で解説を加える「動画マニュアル」です。これなら手間がかからず、相手にも伝わりやすいです。

ステップ2:小さく試す(スポット依頼・クラウドソーシング活用) CrowdWorksやLancersなどのクラウドソーシングサイト、または「フジ子さん」のようなオンラインアシスタントサービスを活用し、まずは「この1タスクだけ」「1ヶ月だけ」と期間や範囲を限定して依頼してみましょう。相性が合わなければすぐに変更できるのがメリットです。

ステップ3:相性の良いパートナーを見極め、継続依頼へ 何人かに依頼する中で、あなたの意図を汲み取ってくれる相性の良いパートナーが見つかります。信頼できる人が見つかったら、徐々に依頼範囲を広げ、継続的な契約へと移行しましょう。継続することで相手の理解度も深まり、さらに効率が上がります。

外注化がもたらす、時間創出以上のメリット

アウトソーシングのメリットは、時間が空くことだけではありません。

プロのスキルを活用できる(自分より上手い人に頼む) 例えば、あなたがデザインが苦手なら、プロのデザイナーに外注することで、あなたが何時間かけても作れないクオリティの資料やバナーが手に入ります。これは事業の品質向上に直結します。

孤独感の解消と、チームで働く視点の獲得 個人事業主は孤独になりがちですが、外部パートナーと連携することで、擬似的なチームを持つことができます。「人に指示を出す」「進捗を管理する」という経験は、将来的に組織を拡大する際の重要なマネジメント訓練にもなります。

自分にしかできない仕事に集中する覚悟を持とう

すべてを自分で抱え込むことは、一見すると責任感が強いように見えますが、経営の視点から見れば「自分の可能性を自分で制限している」状態とも言えます。

あなたが本来やるべきは、誰でもできる作業をこなすことではなく、あなたにしかできない価値提供を通じて、顧客を幸せにし、事業を成長させることです。

2026年は、「プレイヤー」から「マネージャー(経営者)」へと意識をシフトさせる年にしませんか? 小さなタスク一つからで構いません。「人に任せる」勇気を持つことで、あなたのビジネスの景色は劇的に変わるはずです。

YLS合同会社では、業務の洗い出しから、アウトソーシングの導入支援、適切なツールの選定まで、個人事業主様の生産性向上をトータルでサポートしています。「何から手放せばいいか分からない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

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