仕事の流れを整理したい。
けれど、何から書き出せばよいか分からない。
この悩みは、業務改善を始めるときによく出てきます。
業務フローとは、仕事がどの順番で進み、誰が確認し、どこで判断するのかを表した仕事の流れです。難しい図を作ることが目的ではありません。
大切なのは、今の仕事がどこで止まり、どこで手戻りが起き、誰に確認が集中しているのかを見える状態にすることです。
この記事では、中小企業が業務フローを見える化するときに、最初に整理したいことをまとめます。
業務フローの見える化は、きれいな図を作ることではありません
業務フローを見える化すると聞くと、きれいな図や専門的な資料を作るイメージがあるかもしれません。
もちろん、図にすることで分かりやすくなる場面はあります。
ただし、最初から完成度の高い資料を作ろうとすると、手が止まりやすくなります。
中小企業の業務改善で大切なのは、今の仕事の流れを外に出すことです。
誰が、何を、どの順番で進めているのか。
どこで確認が入るのか。
どこで判断が止まるのか。
どこで手戻りが起きるのか。
ここが見えるだけでも、改善すべき場所はかなり分かりやすくなります。
業務フローの見える化は、資料作成のためではなく、仕事を進めやすくするために行います。
公開後にURL設定:中小企業の業務改善は何から始めるべきか|忙しい会社ほど最初に見るポイント
見える化しないままだと、忙しさの原因が分かりにくい
仕事の流れが見えていない会社では、忙しさの原因が分かりにくくなります。
たとえば、次のような状態です。
- 社長や管理者に確認が何度も戻る
- 社員に任せると手戻りが増える
- 担当者によって仕事の進め方が違う
- 必要な情報を探す時間が長い
- ITツールに入力しても活用されない
- どこで仕事が止まっているか分からない
この状態では、「とにかく忙しい」という感覚はあっても、何を変えればよいかが見えません。
人を増やすべきなのか。
ITツールを入れるべきなのか。
確認の流れを変えるべきなのか。
判断基準を整えるべきなのか。
この優先順位を決めるためにも、まず今の仕事の流れを見える化する必要があります。
最初に見るべきは、社長や管理者に戻る仕事
業務フローを見える化するとき、最初に見るべきなのは、社長や管理者に戻ってくる仕事です。
中小企業では、社長や管理者が最後の判断を担う場面が多くあります。
それ自体が悪いわけではありません。
ただ、本来は現場で進められる仕事まで毎回戻ってくると、会社全体の動きが遅くなります。
たとえば、次のような仕事です。
- 見積内容の確認
- お客様への返答確認
- 資料の修正確認
- 作業の進め方の確認
- トラブル時の判断
- 社内共有の確認
これらがどのタイミングで戻っているのかを見える化します。
戻ってくる仕事が分かると、判断基準を作るべき場所や、現場に任せられる範囲が見えてきます。
公開後にURL設定:判断が社長に集中する会社の原因とは|現場が動ける仕組みの整え方
業務フローを見える化する5つの手順
業務フローを見える化するときは、いきなり細かく作り込む必要はありません。
まずは、よく止まる仕事や、手戻りが多い仕事から始めます。
1. 対象にする業務を一つ決める
最初に、見える化する業務を一つ決めます。
すべての業務を一度に整理しようとすると、範囲が広くなりすぎます。
まずは、次のような業務から選びます。
- 社長に確認が戻りやすい仕事
- 手戻りが多い仕事
- 社員に任せたい仕事
- 残業の原因になっている仕事
- ITツールを使っているが定着していない仕事
影響が大きく、改善したときに効果を感じやすい業務から始めると進めやすくなります。
2. 最初から最後までの流れを書き出す
対象業務を決めたら、最初から最後までの流れを書き出します。
きれいにまとめる必要はありません。
まずは、実際に起きている順番で書きます。
たとえば、問い合わせを受ける、担当者が確認する、見積を作る、社長が確認する、お客様へ返答する、受注後に社内共有する、といった流れです。
ここで大切なのは、理想の流れではなく、今の流れを書くことです。
現実の流れが見えないと、改善すべき場所も見えません。
3. 誰が担当しているかを書く
次に、それぞれの作業を誰が担当しているかを書きます。
担当者名でなくても構いません。
社長、管理者、営業担当、事務担当、現場担当など、役割で整理します。
ここを見ると、特定の人に仕事が集中していないかが分かります。
一部の人に仕事や確認が集まっている場合、その人が忙しくなるだけでなく、会社全体の流れも止まりやすくなります。
公開後にURL設定:中小企業の属人化を解消する方法|人に頼りすぎない業務改革の進め方
4. 確認と判断の場所を入れる
業務フローで特に見たいのは、確認と判断の場所です。
作業そのものよりも、確認や判断で止まっていることが多いからです。
たとえば、次のように整理します。
- どこで確認が入るか
- 誰が確認しているか
- 何を見て判断しているか
- どこまで現場で決めてよいか
- どの条件で社長や管理者に相談するか
ここが曖昧なままだと、毎回確認が戻ります。
判断基準が見えると、現場が動きやすくなります。
5. 手戻りが起きる場所を印にする
最後に、手戻りが起きる場所を確認します。
資料を作り直す。
お客様への説明をやり直す。
入力内容を確認し直す。
社内共有が漏れて対応が遅れる。
こうした場所に印をつけると、改善すべき優先順位が見えてきます。
手戻りが多い場所には、確認項目、判断基準、説明資料、情報共有のルールが足りていない場合があります。
見える化した後は、すぐに全部変えようとしない
業務フローを見える化すると、改善したい場所がいくつも見えてきます。
ただ、すぐに全部変えようとすると、現場の負担が大きくなります。
まずは、影響が大きい場所から一つずつ整えます。
たとえば、社長に戻る確認を一つ減らす。
手戻りが多い資料を一つ整える。
判断基準を一つ決める。
入力ルールを一つ統一する。
このように、小さく変えて、現場で試しながら直すことが必要です。
業務改善は、作って終わりではありません。
現場で使われる形に整えていくことで、初めて仕事の流れが変わります。
公開後にURL設定:業務改善を仕組み化する方法|忙しい中小企業が最初に整えるべきこと
ITツールは、見える化した後に考える
業務フローを見える化すると、ITツールを入れるべき場所も見えやすくなります。
ただし、最初からツールを前提にしない方がよい場合があります。
仕事の流れが整理されていないままツールを入れると、入力が続かなかったり、情報が活用されなかったりします。
誰が入力するのか。
いつ入力するのか。
誰が確認するのか。
入力した情報を何に使うのか。
この流れが決まってから、必要なツールを考えます。
YLSでは、ITツールを導入して終わりではなく、現場で使われ続ける状態まで支援することを重視しています。
公開後にURL設定:ITが定着しない理由とは|中小企業でツールが使われない原因と対策
YLSでは、経営者と現場の両方から業務フローを見ます
YLSでは、業務フローを見るときに、経営者と現場の両方を確認します。
経営者が感じている課題と、現場で起きている実態は、同じようで違う場合があります。
経営者は「社員に任せたい」と考えている。
現場は「どこまで判断してよいか分からない」と感じている。
経営者は「ITを使って効率化したい」と考えている。
現場は「今の流れに合っていない」と感じている。
この差をすり合わせないまま業務フローを作っても、現場で使われにくくなります。
弊社では、経営者と現場の両方から話を聞き、必要な仕組み、資料、仕事の流れ、IT活用を整えます。
支援実績として、100社以上の支援、50%の業務改善、月間180時間削減につながった事例があります。ただし、会社ごとに状況は異なるため、同じ成果を保証するものではありません。
業務フローの見える化は、会社の成長に使う時間をつくるために行う
業務フローの見える化は、単なる資料作成ではありません。
目的は、仕事の流れを整え、確認や手戻りを減らし、会社の成長に使う時間をつくることです。
社長や管理者に戻る確認を減らす。
社員が動きやすい判断基準を整える。
手戻りが多い仕事を見直す。
ITを使うべき場所を見極める。
こうした整理を行うことで、目の前の忙しさに追われる状態から、次に動くための優先順位が見えやすくなります。
YLSでは、従業員30名以下でいつも仕事に追われている経営者に向けて、経営と現場をつなぐ業務改革を支援しています。
業務フローを見える化したい、確認作業や手戻りを減らしたい、何から整理すればよいか分からない場合は、まずは個別相談フォームからご相談ください。

